好きを表現する才能

主に観劇趣味について書いています

キューティ・ブロンド

2回観ました。金髪にどピンクって普通の人ならとっても下品に見えちゃうだろうに、さやエルは色の白さと顔立ちの華やかさとでビバリーヒルズのお嬢様に見えてしまうの、人種が違うよう。衣装が何パターンかあってそれがどれもかわいい!わたしは、ハーバードに通い始める時のピンクの革ジャンにピンクのタンクトップ、ピンクのスキニー、そしてピンクのカパナのファッションが好きだなあ。ピンクのカパナ、さやちゃんご本人も持ってるよね。欲しい。

そんでもって3月から4月にかけてやっていたのは、本当に正解だったと個人的に思います。観劇後、「あ〜よかったな。今日が終わらなければいいな。」というのは毎度のこと感じるけれど、あんなに「わー!よかった!!明日から仕事頑張う!!!!」と強く思わせる作品はそうない。わたしが新年度のストレス(新しい環境という面で)を感じやすい職場にいるのもあるけど、春にこの作品を観た女の子たちは、少なからず仕事や生活を頑張ろうかなって思ったはず。なので再来年は女という性を持った人は全員観て欲しいです。キャス変しないで!

さて、こんなにもキューティ・ブロンドが素敵だなと思うのには、ちょっと理由があってですね。少し前読んだ文章に「キュート」という言葉には、支配的な要素が含まれてる、と書いてあったのを、この作品を観て思い出しました。英語についてはよく分からないので、Yahoo!知恵袋で検索したら、まあ普通に褒め言葉として使われてるみたいですけども。ただ、やっぱり小さいものやガールという言葉に付くことが多いみたいで、そういうことを考えるとエルは「キューティ・ブロンド」という「支配できる可愛さ」に身を置いて、その中で一番に輝いて、それまで生きてきたんですよね。いくら一番であっても、枠からは出られないし、周りからもいつも誰かに「可愛がられている」存在として、自立した女性としては生きられないまま。多分それでいいと思ってたし、なんなら、それも自分を構成する要素の1つとして容認していたんじゃないかな。でも、ワーナーに振られて、ワーナーと寄りを戻すためにだけど勉強して、エメットやポーレットに出会うことで、「可愛いだけじゃない」エル自身に気づけたところに、キャラハンの思惑を知る。だからこそ、キャラハンのコトのあと、エメットに歌う「わたしはただのキューティ・ブロンド」っていうのが、ものすごくわたしの心に刺さりました。どんなに辛い勉強をしても、今まで通りのプーちゃん扱い。でも、こういうVS男の構図(ワーナーの辛辣な言葉とヴィヴィアンのワーナーに対する「サイッテー」も効いてる)があるからこそ、傷心のエルをヴィヴィアンが奮い立たせるっていうのが一段と痺れる。「リガリー・ブロンド」の誕生のシーン。めちゃくちゃかっこいい!「闘うの。法律で。わたしのやり方で」めっっっっちゃかっこいい!わたしのやり方の中には、今までのピンクのエルも含まれているのが、またさらにかっこいい。女はほんとうに強いなあと思いました。

以下箇条書き
・女子同士の友情が厚い!ΔNUの仲間たち、みんながみんなのことが大好きでまっすぐ!素敵すぎる。
・しゅがさんエメットの声の良さ……。あの冴えなさが日本人受けするし、また似合う。スーツを着てもそんなにかっこよくならないところも◎(笑)
・「LOVE、愛のために〜」全部愛で片付ける。
・エルが全部に一生懸命。すごいエネルギー。見習いたい。
・ブルックの歌の強さ…!濱めぐさん同様四季の女優さんの歌ほんと好き!
・かがんでおっぱい
・コロスの3人のアメリカ感……。表情が豊か。この3人がいるからこそ、エルも頑張れたよね。
・「(殺人現場に)お出かけお出かけー!」
・全編通して吹替のような感じがあったのも私的好み!

どの現場に行っても、そこにこの作品を観た人がいたら、キューティブロンドの話になってしまうぐらい、まだまだ話し足りない作品。再来年の再演がほんとうに楽しみ!これもDVD出ないかな〜CDも〜。